【夢日記】2020/12/29

田園風景が残る近所の公園に来ると、風景が色鮮やかに感じられた。白く乾いた落ち葉や木の幹はどことなく青く光っているようにみえたし、中央に黒く模様が入ったオニゲシと、白や桃色のハルジオンが強風に揺られていた。

私はそれらを携帯のカメラに収めようとしていたが、近くを園児か小学校低学年と思しき子どもが数人通りがかった。

そしてそのうちの一人が「うまく写真が撮れない」と嘆いた。別な少し太った男の子が撮れた写真を見て「綺麗に撮れてるよ」と言ったが、最初の子は「もっとちゃんとしたのが撮りたい」と食い下がった。

そのあと何枚か写真を撮っていたがお気に召さない様子だった。

太った男の子は「僕はすごくいいと思うけど」と相変わらず写真を褒めた。しかし最初の子は「こんなのお花じゃないよ」と不機嫌そうに言った。

すると「どうしてこれが綺麗じゃないと思うの?」と男の子が尋ねた。

「形がちゃんとしてないもん。ちゃんとしてないのは綺麗じゃない」と最初の子が答えると男の子は「すごく綺麗な色なのに、形が理想じゃないからちゃんとしてないってお花がかわいそうだよ。これも綺麗だって認めてあげなよ。」と大声を上げた。

私は子どもたちのやりとりを聞きながら風に揺られる花に向かってもう一度シャッターを切った。

 

 

 

私は古い漫画を読んでいた。

ある家の亭主は妻を昼も夜も働かせて自分は何にもしないどうしようもない男だった。

ある日全裸で庭先で昼寝をしていると、若い女学生の集団がそばを通りがかった。男を見つけた彼女らは大人の裸を見たことがなかったので興味津々な様子で近寄ってきた。男が目を覚ますと自分を取り囲む少女たちに気がついた。どうしようもない男は精力だけには覚えがあった。少女たちはひみつの授業を受け、男の噂はあっという間に町中に広まった。

男の家は、若い女たちが密かに通い詰める塾のようになってしまった。

 


同じ作者の別な作品も読んだ。

親に犬小屋で生活させられていた少女は、近所に住む同い年の男の子に学校の話を聞き、いつか自分も通いたいと思っていた。少女は親が酒で酔っぱらって眠った隙に、読み書きや足し引き算の練習をした。

時は過ぎ、犬小屋に住む少女の元から引っ越してしまった少年は大学生になった。大学のサークルの新歓飲み会で先輩からこの大学のどこかにラブホテルがわりに使える部屋があるという話を聞いた。

元少年は女の好みの話で盛り上がる先輩たちをよそに、犬小屋で暮らしていた少女に想いを馳せていた。

ある日、友人が例のラブホテル部屋を使えるようになったというので一緒にみにいくことにした。

行ってみると、なんの変哲もない階段下の物置だった。しかし扉を開くと中は綺麗に掃除されており、古びた布団がしいてあった。

「2時間経ったら管理人が戻ってくることになってるんだ」と友人が言った。

「それじゃあ僕はここで失礼するよ」と元少年が言うと、友人が突然手を握ってきた。

 


視点が切り替わり、誰かが腕時計を確認するコマがうつった。

2時間経ったので、階段下の物置の部屋に戻ってきたのだった。この人物がラブホテル部屋の管理人だった。

ノックをしてドアを開くと、上半身裸の黒縁メガネをかけたパーマがかった髪型の男子学生が中にいた。

「時間だよ」と声をかけると学生は「今出ます」と慌てて服をかき集め始めた。

管理人は料金を受け取ると、部屋の掃除に取り掛かった。

布団のシーツを剥がし洗濯カゴに放り込み、そこらじゅうの拭き掃除を始めた。

押し入れから代わりの布団を出そうとした時、天井から物音がすることに気がついた。

上を見上げると、僅かに押し入れの天井の板がずれていることに気がついた。

板を押し上げて中を見ると、汗だくになった元少年が隠れていた。

「君は……」と管理人が口を開くと「君だったのか!」と元少年が叫んだ。

管理人は犬小屋で暮らしていた少女だった。やや痩せていたが、確かに彼女だった。

「どうしてこんなところに?」と元少年が尋ねると「私の台詞だよ」と元少女が苦笑いした。

恥ずかしそうに押し入れから出た元少年は、服を着てからかつての友人からこれまでの話を聞いた。

酒を買う金すらなくなった両親が酒屋に強盗に入り、刑務所に放り込まれてから一人で生きてきたのだと少女は話した。

大学の清掃員として働く傍ら、学生たちからはホテル代を徴収して学校に通うお金を貯めているというのだ。

「それで、なんで君はあんなところに?」と元少女がニヤニヤしながらきいた。

 

 

 

私はこの話の続きが読みたくて両親に尋ねた「あの先生の漫画は面白いよね」と「性描写がかなり直接的だけど、あの時代はそんなもんだったよなぁ」などと話していた。

私が携帯で調べようとすると目が覚めた。

 

 

【睡眠時間】3:28-11:20(7h52min)

 

 

【メモ】

どこからが夢でどこからが現実なのかわからなくなった。とにかく確かなのは、この作品がこの世にないものだってことだ。