おねがいします
毎日毎日、何もせずただ無駄に時間を消費している。まあ正確には全く何もしていないわけではない。何もしないで生きるというのは実際不可能だ。
はじめは働きたくないだけだった。
次は家事がしたくなくなった。
毎日届くメールを開きたくない。
買い出しに出かけたくない。
夫の病院の送迎をしたくない。
カップラーメンのお湯を沸かしたくない。
動物たちのご飯を用意したくない。
トイレに行きたくない。
お腹が空きたくない。
息をしたくない。
生きたくない。
こうして文章を書くのだって本当はやりたくない。でもこのままでは今夜眠れそうにないので真っ暗な部屋でキーボードを叩いている。
何をしても楽しくない。
ゲームをしても、気晴らしどころか「こんなことを頑張っても何にもならない」と自己嫌悪に陥る。映画が見られなくなった。途中で飽きてしまうからだ。動画も15秒見たら頑張った方。本当に何もやりたいことがないのだ。
それなのに生きる意味ってなんだ?毎日無駄に腹は減るし眠れる時間にも限度がある。最近は夢の中ですら思い通りにいかない。ああ腹がたつ。
なぜ私みたいなのが生まれてしまったんだろうと思う。私より生きたかった、やりたいことがあった人間なんて山ほどいるのに。代わりに生きてうまいこと使ってくれと何度涙したか分からない。
痛いのが怖くて刃物を握ると硬直してしまう。飛び降りようにもこの家のベランダからでは、低すぎて中途半端な怪我で終わるだろう。
いまいちばん欲しいのは苦しみの伴わない死だ。それが贅沢だというならこの流行病が収束する前に感染して死にたかった。苦しむだけ苦しんで、周りの人に同情されながら死にたい。
「まだ若いのにかわいそうに」
いつまで死を惜しんでもらえるか分からない。そもそも私のようなちっぽけな人間が一人いなくなったって、社会はうまいこと回り続けるってことはよくわかっている。最初は同情してくれる人たちも、関わるうちに次第に私の面倒臭さに気がついて「なるべくしてああなった」という評価に落ち着くのが目に見えている。
その通りだ。今までしてきた色々な悪いことのツケが回ってきたのだろうと自分でもそう思う。
私に関わった人はみんな気の毒だ。こんな奴に振り回されて。安楽死が手軽にできたらその負担を軽くして差し上げられるのに。
ごめんな弱虫で。飛び込む線路に歩いていくことも、首を括る木を探すことすら面倒くさくなってしまった。
本当に何もしたいことがない。生きたくないのに生かされている。生きろと言われたからとりあえず生きているが、気が狂いそうだ。
誰か早く私を楽にして欲しい。どこまで他人任せなんだと自分で自分に呆れてしまうが、面倒くさいのだから仕様が無い。いつまで私はこの状態なんだろう。薬が効いていないのかな。
苦しいな。この苦しさは気のせいなのかな。
本当は病気でもなんでもなくて、ただ私がだらしないだけなのだとしたらどうしよう。どうにもできないよな。だらしないのだって病気みたいなもんだ。馬鹿は死ななきゃ治らないっていうし。
馬鹿でいいから、早く死にたいよ。